Updated : 2001/10/25

マキ電機製 29 エレループ八木
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自作 435MHz 11エレクロス八木

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1.マキ電機製 29 エレループ八木

AO-40 からのSバンドビーコン受信を考える方は、きっと1度は、マキ電機製 HG-2429 の導入を検討されたのではないでしょうか。他のメーカー製の 2400MHz アンテナがかなり高価ななか、手ごろな価格でかなりの高利得、サイズもさほど大きくありません。

私も、AO-40 からのビーコン受信には、とりあえず 10 エレ八木や 20 ターンヘリカルを自作して対応しようとしましたが、実際に使ってみると性能的に不足で、また、自作品の性能を評価するための基準になる受信システムが欲しかったこともあり、1本購入しました。

MAKI DENKI 2400MHz 29ele Loop Yagi HG-2429
写真はマキ電機さんのサイトから直接引用

購入した HG-2429 と、標準改造のドレーク 2880 コンバータを使って、ベランダの仮設台にセットアップしてみました。

29 エレはブームの途中だけではなく、後部でも支持できるように、反射板の後ろにブームの突き出し部分があります。通常はここに別売りの専用金具を使うのですが、仮設台を矢崎のイレクターパイプで作り、実験用のアンテナを着脱自在にしていることから、29 エレループについても同じ方法を取ることにしました。と言っても、具体的には 30cm のイレクターパイプでブームを延長しただけです。パイプの内径よりブームのアルミパイプの方がやや細いので、コルクテープを巻いて隙間を埋め、ドリルで穴を貫通させて 3mm ボルトで固定しました。

標準でついてくるコネクタは N-R ですが、2880 コンバータと直結させるために N-P に交換しました。給電ケーブルからすぐに 2880 に接続して、ロスを最小限に抑えようと言う訳です。2880 からは約 7m の 3C-2V ケーブルで、運用卓の IC-821 へ引いています。

仮設台の固定部分の写真です。イレクターパイプ用の継ぎ手に、ブーム延長に使ったイレクターパイプをパチンとはめるだけですが、アンテナが軽いので問題無く固定されます。2880 が固定部分の反対側に来るので、ちょうどいいカウンターウェイトになります。外す時はちょっと力が要りますが、コツがわかれば簡単に外せるようになります Hi。

この仮設台は、シャックのある部屋の南側の手すりに、BSパラボラ用の取付け金具を使って立てたマストを利用しています。シャックから数歩歩けば手が届きますので、方位と仰角を手で簡単に調整できます。ただし、設置位置から右手には母屋が迫っていて、また左手には隣家があり、可視範囲は 100〜220 度にしかありません。AO-40 が推進系のトラブルで軌道傾斜角が上がらず、南天のみに見えるようになったことが、幸いしています (^^;)。


図:29エレループの性能評価データ

さて、肝心の性能ですが、後日入手した直径 80cm のメッシュ製 Dish や、TDK の BS 用 45cm センタフィード Dish に比べると、上のような結果でした。80cm Dish に対して、Sメータの振れで2〜3程度、利得でも S/N でも -6〜9dB 程度のようです。サイズと手軽さを考えると妥当なところでしょうが、残念ながら AO-40 からの微弱な S2 帯ダウンリンクを聞くには、少々力不足と言ったところでしょうか。

なお、この図では TDK の 45cm Dish より性能が良いとなっています。確かに良いのは良いのですが、この場合は 45cm Dish に使ったフィードシステムが不適切で、45cm Dish がそれ相応の性能を出せていなかった、と考えた方がいいようです。他の 45cm 級のオフセット Dish を使われている方からは、29 エレより良いと言う感想を伺っていますので…。

右 (→) は、マキ電機製の 2.4GHz プリアンプを装着したころです。防水のためタッパに収納してあり、電源は 2880 コンバータへの同軸重畳 DC12V から、自作のスプリッタを使って取り出し供給しました。

タッパによる防水は、最初はいいアイディアだと思ったのですが、素材のポリスチレンが接着剤を受けつけないため、穴を開けたところに防水用に詰めたパテが浮いてしまい、結局防水ができない、と言う問題点が発覚。この方式はすぐに取りやめてしまいました。

前述の通り、手すり仮設台では視界が狭いため、東の低い位置や、西側の位置では受信ができません。そこで、物干し台となっているベランダに、アラキの三脚を立てて仮設台として使うことにしました。

左(←) が、仮設台を使って設置した 29 エレループです。同時期に入手したプリアンプを装着してあります。シャックのリグまでの距離は、5C-FV ケーブル長で 20m ありますが、プリアンプのおかげで受信性能は十分確保できました。

なお、写真にあるプリアンプは某OMの試作品で、性能評価試験のためお借りしたものです。仮設での使用のため、防水措置は行っておらず、電源も別途、乾電池から取っています。

以後、このプリアンプとマキのプリアンプを交換しながら、色々と特性を測定しました。

2.アップリンク用 435MHz 11 エレクロス八木

AO-40 に QRV するには、アップリンク用ノアンテナも必要です。1.2GHz の機器はまだ手元に無かったので、とりあえずマトモな無線機がある 435MHz からのアップリンクを考えました。

マスプロやDXアンテナなどのメーカーが出している、安価な普及品の 12〜15 エレ八木でも十分とは思ったのですが、円偏波化を試したかったのと、フトコロの事情から、自作することにしました。自作と言っても内容は、手持ち八木の実験の時におなじみの、3mm棒と角材による簡単アンテナです。公表されているデータで最も大きくなる 435MHz の 11 エレ八木のデータで、円偏波のためクロス八木化して作ることにしました。

材料はいつもの通りですが、移動用ではないので分解については考慮していません。エレメントは 3mmφのアルミ棒、ラジエタは 3mmφの銅棒、ブームは 15mm 角 180cm 長の角材を使いました。角材に 3.1mm ドリルで穴をあけ、エポキシ接着剤をつけてエレメントを挿し込み固定、最後に水性ペンキで防水がてら塗装しました。

給電部分の拡大が右 (→) の写真です。対 AO-40 専用ですので、円偏波の旋回方向を左右で切り替える必要は特にありません。衛星からの電波は右旋回で降りてきますから、右旋回に固定して作ることにしました。交差させる2本の 11 エレ八木を前後に 1/4 波長だけズラして同相給電してやれば、複雑な位相遅延ケーブルを用意する必要も無く、円偏波になります。ただし、旋回方向は2つのラジエタの位相方向に依存します。右旋回にする場合は、前のラジエタに対して後ろのラジエタが、後ろから前方を見た場合に時計周りに 90 度回った方向を向いていればOKです(左旋回なら反時計周り)。

ラジエタは 3mmφ銅棒で新調しましたが、2分配ケーブルは以前の円偏波アンテナ実験時に作った 435MHz 用のものを、そっくり流用しました。

受信用の 29 エレと並べるとこんな (←) 感じになります。なかなかいい具合になりました。

ブームの後部には 2400MHz の 29 エレと同様に、イレクターパイプを継いで、仮設台に簡単に着脱できるようにしてあります。見た感じ、かなり重量アンパランスなのですが、素材が軽いこともあって、後方支持で何の問題も無く支持できています。

同軸は一旦 3D-2V で 60cm ほど引き出し、そこに M-J コネクタを付けました。シャックまでは 8D-FB を 21m 使って引いてありますが、損失が 2dB ほどあるため、20W 出力が実質的に 12〜13W しか出ていないことになりますね。

3. マキ電機製 13 エレ拡張キットの評価試験。

2001年の横浜ハムフェア会場で、マキ電機さんのブースで販売されていた、2400MHz 用 29 エレループ八木の 13 エレ追加エレメントキット、皆さんはもう組み立てて実際に使われているでしょうか?。ハムフェアからの帰途、傘と一緒に羽田空港に置き忘れて大騒ぎしてしまいました (^^;) が、とりあえず実装してみましたので簡単にレポートをします。

(1) 組み立て

キットの部品を単純に組み立てて、先端に継ぎ足すだけなら楽なのですが、ループ八木のエレメントは、先端に行くに従って径が細くならないといけないのです (^^;)。キットには説明書が無かったので、社長やスタッフがこのことを口頭で説明されていました。で、キットに付属のエレメントの径と、29 エレについているエレメントの径を比較してみましたところ、29 エレの先端8個がキットのものより小さいことがわかりました。と言う訳で、手順はこのようになります。

(2) 動作確認

前述の通り、ワンタッチで取り外して使える構造ではないので、29 エレと拡張後の 42 エレを、AO-40 からの信号を使って同時に比較するのは無理があります(2本あればいいんだけど)。そこで、現在使っている 80cm Dish と比較してみることにしました。

もっとも、使っている受信用コンバータ等が異なり、総合利得が違うので、リグのSメータの比較ではわかりません。そこで、435MHz で一定のパワーでアップリンクし、それがどの程度の S/S+N で聞こえるかを、80cm と 42 エレで比較してみることにしました。アップリンクは 11 エレクロス八木に 5W のキャリアです。


Fig.1 比較結果

結果は、42 エレは 80cm Dish に対しわずか -3dB でした。単一偏波と円偏波の違いによる 3dB の差だけしか無いことになります。…が、実際に聞いてみると 3dB どころではない差を感じますね (^^;)。

以前、似たような構成で比較した 80cm Dish と 29 エレの性能比は、およそ 5dB でしたから、確かにハムフェア会場で社長の言われた「+2dB」の改善が得られています (^o^)。無論、U-AGC の変動や、アンテナがきちんと衛星に対向していない可能性もありますので、参考程度にして下さい。

実際にこの 42 エレを JI5MFZ 方式のコンバータ(NF およそ 2dB?) に接続して、2001/9/15 のAO-40 のパスで運用してみました。MA=160 前後で SQA が 10 度近くと、あまり良い状況ではなかったので CW での運用でしたが、呉の JA4DBY 局と 559-559 で交信できました

SSB の信号も結構聞こえてくるのですが、やはりちょっとノイズに埋もれ気味です。80cm Dish には NF=0.7dB のプリアンプが使ってありますし、サイドローブから拾うノイズも少ない分だけ、聞き取りやすいのかも知れませんけど…。


by Yoshihiro Imaishi JF6BCC/KH2GR
mailto:jf6bcc@jarl.com

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