Last Updated : 2001/8/26

AO-40 の Mode-L/S アップリンク (1269MHz) に挑戦

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AO-40 の Mode-UL1/S での試験運用が、2001/5月と7月〜に実施されました。とりあえず U バンドのアップリンクは、手持ちの IC-821 で可能でしたので、435MHz のアップリンク用 11 エレクロス八木を作って、Mode-U/S での QRV はできるようにしましたが、L バンド (1269MHz) でのアップリンク設備の目処が立たず、そのままになっていました。

で、先日、1.2GHz の パワー/SWR 計が手に入ったのを機会に、手持ちの FM ハンディ機のキャリア送信でいいから、とにかくアップリンクの試験を、と準備を進めていましたが、本日 (2001/8/2) に、初めての L バンドアップリンク試験に成功することができました。

1. アンテナ

まずは何と言ってもアンテナです。JAMSAT-BB 上での各種報告を見る限り、ブーム長さ 1.5m 程度のアンテナと 10W の出力で、ギリギリ何とかなる、と言うレベルだそうですが、とてもそれだけのアンテナを調達するだけの資金的な余裕はありません。また、機器の調整や試験運用を行うためにも、とにかく 1269MHz で使えるアンテナが必要です。

そこで、昨年の AO-40 からの S バンドビーコン送出開始の時にも使った手ですが、おなじみ JAMSAT のここにある、1296MHz 用 10 エレ八木のデータを利用して、AO-40 のアップリンク用である 1269MHz 用にするため、周波数比で寸法を再計算し、9mm角材と3mmφパイプで (2001/7/21 に) 作ってみました。

エレメント

Re

Ra

D1

D2

D3

D4

D5

D6

D7

D8

位置(mm)

0

44

73

104

166

226

317

404

500

596

長さ(mm)

111

104

101

99

97

97

95

93

93

91

※ラジエタは2mm銅棒+3mm銅パイプで調整可能な構造とした。
※同軸は3D-2V 30cm を直結し、反対側はBNC-P。

▲ Fig.1 10 エレ八木のデータ


Fig.2 とりあえず作った 1269MHz 用 10 エレ八木

手持ちアンテナなどの製作で余った材料を使いましたが、新規に材料を調達したとしても \600(BNCコネクタ別)というところでしょうか。ブーム長わずか 70cm のコンパクト軽量なアンテナで、これで AO-40 にアップリンクしようと言うのは間違っていると言うべきでしょう。

2001/7/21 にはできていたのですが、調整のためのパワー/SWR計が手元になく、入手するまで試験することもなく放置していました。で、つい先日、ようやく測定機器が揃ったので、1269MHz で SWR=1.1 まで調整できました。…ただし、その状態で 1296MHz を測ると SWR=2.5 近くもあります。残念ながら地上波通信との共用は無理みたいです。

2. アップリンク試験の設備

パワー計の到着で、以前にオークションで入手しておいたマキ電機製の 1W→10W リニアアンプ、UP-1210BL の中古を、1269MHz 用に調整することができました。手持ちの 1.2GHz FM ハンディ機 C-311 と単3型ニッケル水素充電池6本では、出力は 0.4W 程度しか出ず、アンプを通した場合の出力も 5〜6W 程度です。


Fig.3 とりあえずのアップリンク試験用設備

まあ、とにかく、前述のアンテナとアンプを写真のように仮設台に組み付けて、ものは試し、と AO-40 へアップリンクを試みることにしました。無論、FM 機が親機ですから SSB/CW の送信はできません。PTT を使った QRH だらけの CW での挑戦となります。…同軸リレーが壊れそう…。

3. 挑戦!

2001/8/2(木)、平日にも関わらず(ゴニョゴニョな理由で)自宅に居た私は、AO-40 のオービット #348 で 14:19〜 の MA=2 からの AOS をワッチできると言う、ハラショーな状態でした (^ ^;)。そこで、この設備を使って実際に AO-40 にアップリンクしてみることにしました。狙いは、姿勢 333/3 で SQA が2度程度にまで小さくなる 16:30〜17:30 頃です。

どうせ聞こえねぇだろう、とタカをくくりつつも、2401.450 付近に降りてくるように 1269.26 に周波数を合わせ、PTT を押しました。で、ダウンリンクを IC-821 + 2880改造 + 80cm Dish で受信…。

ん?、このキャリアは何だ。PTT を離すと…途切れた。押すと…出た


Fig.4. 初めて確認した返り信号

聞こえた!、結構強い!

SSB だとどうかな?、と言うレベルなんですが、CW なら十分に交信できそうなレベルで聞こえてきました。無論、せっかくのなので 2401.400 付近まで QSY して、PTT で CW を叩いて見ましたが… QRH でグチャグチャでした。まあ、FM ハンディ機の周波数安定度なんてそんなものですよね。上の図でも、アップリンクの信号が綺麗なトーンではなく濁っている(広がっている)ことがわかります。

それにしても、5〜6W かけていたとは言え、この短い 10 エレ八木でちゃんとループテストができたと言うのはビックリです。1本 \600 位で作れるのですから、4本か8本作ってスタックすれば、格安な(だけど場所を取る)Lバンド用のアップリンクアンテナが作れるかも知れませんね。

4. 実用アンテナの準備 (2001/8/26追加)

とりあえず手持ちの材料で作った 10 エレ八木ですが、これが即、実用になる訳ではありません。ネットオークションを漁って、マキ電機の 1.2GHz 帯用 17 エレループ八木 HGL-1217 (2本組) を入手しましたので、そのうち1本を使ってみることにします。


Fig.5. とりあえず仮設台に装着してみた HGL-1217

…ううん、いいですねぇ、なんかすごく立派なアンテナシステムに見えます。無論、物干し台までの 1.2GHz 用のケーブルはまだありませんので、この位置から運用することはできませんが…。


Fig.6. 仮設台への取り付け方法

仮設台への取り付け方法は、435MHz の 15 エレと同様に、ブーム後部を 30cm のイレクターパイプで延長した上で、仮設台のホルダにはめこむ方式です。2400MHz の 29 エレを装着するために用意してあった場所に、とりあえず取り付けてみました。着脱は容易ですが、少々の負荷では外れませんし、1217 は十分に軽いので、これで問題なく支えられます。

ただ、この HGL-1217 なんですが、さすがに 1.2GHz 帯の 40MHz 帯域全体を低 SWR でカバーしてはくれないようです。手持ちの SWR 計 (DIAMOND SX-1000) で測定してみたところ、1280〜1290MHz あたりに共振点があるようで、目的の 1269MHz での SWR は 1.5 でした。必ずしも悪い値とは言えないのですが、ちょっと気になります。


Fig.7 アンテナの共振点を下げるためにクリップを使う

エレメントの寸法を調整すれば良いのですが、構造上そういう訳にはいきません。そこで、とにかくラジエタの共振周波数を下げるために、ラジエタに「異物」を付加してみることにしました。使用したのは手持ち八木のエレメント固定に使った小型の目玉クリップ(金属製)です。

ラジエタは1波長のループですから、給電点およびブーム取り付け位置の電圧が一番低く、そこから一番離れている両脇の電圧が一番高くなります。電圧の高い位置に異物が近いほど、共振点を下げる働きは大きく、逆に遠いほど小さくなるはずです。クリップの取り付け位置を微妙に調整しながら 1269MHz で SWR=1.1 になる点を見つけました。

無論、目玉クリップは防水構造ではありませんので、このままではすぐにサビて使い物にならなくなるでしょう。いずれ正式には、周囲をエポキシ接着剤などで埋めるか、あるいは簡単にブチルテープで防水しようと思いますが、まだケーブルも配線できていない状況ですので、アンテナは基本的に屋内に収納すると言う前提で、とばらくはこのままにしておこうと思います。

5. 今後の計画

(1) シャック〜物干し台間の 1.2GHz 帯用ケーブルの配線。5D-FB でいいかな。
(2) IF を 432MHz にしたドレーク 2880 コンバータを作り、アップリンクの IF を 144MHz にして、マキ UTV-1200 →同軸→ 直下 10W AMP → 1217 での運用試験。
(3) 439MHz→1269MHz の直下型アップバータを自作し、IF 439MHz からのアップリンクシステムを構築

…と、まあこんな事を考えています。(2) 用の 2880 と水晶、1269MHz 送信可能の UTV-1200 は準備済みなので、(1) のケーブルを何とかすれば近日中に実施できるかと思います。また (3) 用の必要な部品もぼちぼち揃えていく予定です。


by Yoshihiro Imaishi JF6BCC/KH2GR
mailto:jf6bcc@jarl.com

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