Updated at 24th. Oct. 2001


AO-40 用 2400MHz アンテナ
(11エレ八木 & 20ターンヘリカル)

アマチュア無線メニューへ戻る

1.2.4GHz の受信用 10 エレ八木アンテナの試作 (Last Update:2000/11/16)

さて、問題はアンテナです。何しろ 2.4GHz などという高い周波数帯を扱うのは初めてで、SWR計とかインピーダンスメーターとかの測定機器を持っている訳でもありません。過去に FCZ の 1.2GHz プリンテナを作って使ったことはありますが、あれは「作った」と言うレベルじゃないですからねぇ。調整もしなかったし。とは言え、衛星に使うにしろ地上波に使うにしろ、なにがしかのアンテナが無ければ話しになりません

市販品では例えば以下のように、CQ誌の広告などで数社が製品を出しています。

  • ラムダアンテナ Quad Radiator PCQ-2.4 \16.000

  • アンテナテクノロジー カバー付き8素子八木 YA2412A \17,000

  • マキ電機 ループ八木 9ele HGL2409 \6,000、15ele HGL2415 \8,000、29ele HGL2429 \10,500、57ele HGL2457 \19,000、ラジエターホーン \6,000

  • セブロン電子 2.4GHzアンテナパーツ ラジエタ\1,500、エレメント\1,800/10個

  • クリエートデザイン 5ele X240-5 \?、8ele X240-8 \?、19ele X2419 \?、27ele八木 X2427 \23,500

設計・パーツ製作・調整などの手間を考えれば、これらの市販品を利用するのが一番なのでしょう。が、水晶も込みでたった \4K ちょいのコンバータを使うのですから、アンテナももっと安く上げたいですし、市販品に頼るってのもあまりいい気はしません。まあ、最悪、失敗した場合には市販品に逃げると割り切って、ここは自作しようと思います。

さて、自作と言っても一から設計できるほどの技術力がある訳ではありません。既に公開されている製作記事やデータを「真似」て、それらしく使えるものにするのが近道です。

JAMSAT-bb で質問したところ、軸モードのヘリカルループアンテナの作成記事(写真→)のある、JH1CMP 井関OMの Web ページ を紹介していただきました。なるほど、これなら私にも作れそうですが、どういう材料が入手できるかによって構造を検討する必要があります。とりあえず、これについては後日挑戦することにします。

次に考え付いたのが、既存の 1.2GHz 用や 430MHz 用のアンテナを
スケールダウンする方法です。SHF 帯とは言え 2.4GHz の波長は 12cm、まだ今までの V/UHF 用アンテナの発想と手法で何とかなるレベルだと思います。部品の大きさまで適宜縮小すれば、割とうまくいくのではないかと期待しました。

1. CQ出版社「U・SHFハンドブック」に掲載されていた 1.2GHz 12ele 八木のデータから 2400.5MHz 用に換算。

Elem.

Re

Ra

D1

D2

D3

D4

D5

D6

D7

D8

D9

D10

Length(mm)

61.9

53.7

52.0

52.0

52.0

50.1

50.1

50.1

48.4

48.4

48.4

48.4

Location(mm)

0

21.5

46.6

67.6

89.0

110.5

132.0

153.5

175.0

196.5

218.0

239.5

※記事には「原典ではエレメントに 4mm のものを使用」とあるので、2mm 径にするのが適当でしょう。ただし給電部のガンママッチが難点で、どう調整するかが問題です。SWR 計があるわけではないので…。

2. JAMSAT の Web ページで紹介されている八木から。

(1) 1296MHz 用 10ele 八木を 2400.5MHz 用に換算。

Elem.

Re

Ra

D1

D2

D3

D4

D5

D6

D7

D8

Length(mm)

58.9

55.1

53.5

52.1

51.3

51.3

50.2

49.1

49.1

48.1

Location(mm)

0

23.2

38.3

55.1

88.0

119.3

167.4

213.8

264.5

315.3

※1296MHz 用は 3mm 径エレメントを使い、片フォールデット部の折り返し間隔は 13mm となっていますので、エレメントに 1.5 ないし 2mm 径のものを使い、折り返し間隔を 6mm にすると丁度良さそうです。

(2) 435MHz 用 11ele 八木を 2400.5MHz 用に換算。

Elem.

Re

Ra

D1

D2

D3

D4

D5

D6

D7

D8

D9

Length(mm)

61.6

59.8

57.1

55.3

55.3

55.3

55.3

54.0

54.0

54.0

51.1

Location(mm)

0

11.6

25.4

51.8

80.7

110.6

140.5

173.8

207.2

239.4

273.9

※435MHz で 3mm 径エレメント、片フォールデッド部の折り返し間隔が 13mm ですから、単純に縮小計算をすると、0.5mm 径エレメント/間隔 2.5mm になってしまい、実現するにはちょっと無理があります。11ele ながらブーム長は (1) の 1296MHz 用 10ele より短くなっていますので、これを作るよりは (1) を作ったほうが良さそうです。

そこで、2-(1) のアンテナを手近な材料で作ってみることにしました。エレメントには 2mm 径の銅棒を、同軸には 3D-2V を使用し、3D 用の N-P に接続、ブームをその N-P に固定して、コンバータのNコネに直接セットして支える方式です。
ブームは当初、木材を使おうかと思いましたが、2.4GHz は水の吸収周波数に近く、水分を含む木材は絶縁物として不適切だろうと考え、スチロールの角材を利用することにしました。2.2mmのドリルで穴をあけ、エレメントを挿しこみ、エポキシ接着剤で固定しました。

できあがったアンテナです(→)。かかった費用は、2mmφ銅棒1本\100、N-P \900、ブームのスチロール棒 \180 です。接着剤や同軸は手持ちのものを使いましたし、電源供給ケーブルなど、コンバータ周りの付属品を含めても \1,500 程度というところでしょうか。ブーム長さは 45cm 程度しかありません。もちろん「作りっ放し」で、調整などは一切行なっていません。SWR 等の測定は、いずれミーティングなどの機会があればやりたいと思いますが。

フラッシュのないデジカメで室内で撮ったので写りが悪いですが、コンバータにセットしてみたところ(←)です。

アンテナの動作確認は、コンバータの調整時に使った簡易SGをやや離れたところに置いて、FT-817 で 50.01MHz を与えて動作させ、それをこのアンテナ+コンバータ+C-501 で受信してみることで確認しました。動作利得は、比較するものも無いし、C-501 のSメータではアテになりませんのでわかりませんが、ビームを振ってみたところ、フロント真正面でSメーター振りきれで入感していた信号が、45 度でカスカス、60 度ズレた時には受信できなくなるほどでした。サイドローブやバックローブについては、また落ち着いてから測定してみたいと思います。

もしこれで Phase-3D 衛星からのダウンリンクを「充分な強さ」で受信できるならば、最も経済的な受信システムと言うことになります。Ham Journal No.97 にある Phase-3D のダウンリンク回線の計算では、20dBi のアンテナで 26dB の S/N が得られる、となっていますが、10ele 程度のアンテナでは、利得は良くて 12dBi と言うところでしょう。でも、ブロードなビームで雑音が増えることを考えなければ、それでも 18dB の S/N が得られる計算になります。これだけあれば十分イケるのでは…?

追記 : (Last Update:2000/12/5)

期待の新星 Phase-3D は、11/16に無事打ち上げに成功、GTO軌道に投入されました。435MHzのダウンリンクの送信にトラブルがある以外は順調で、12/5現在、145.898MHz のミドルビーコン周波数でテレメトリを送信しながら、遠地点高度を上げる推進器を使用するために、姿勢を ALON/ALAT 270/0 に変更中です。無事に打ち上げられたことから、オスカーナンバー40が与えられ、「AO−40」と呼称されることになりました。

この姿勢変更の期間、MA 15〜26 あたりで衛星のビームアンテナが地球方向を向くことから、11/30よりSモードの送信テストが行なわれることになりました。そこで、急遽、写真のような設備を仕立て上げ、AO-40からのSバンドビーコンの受信に挑戦することにしました。

コンバータ(a)は水晶を交換して 2400.200→144.080 にしたもの。コンバータ(b)は水晶を交換せず 2400.200→122.100 になるものです。受信親機は FT-817 を使います。

ウィンドゥの関係で、MA=15〜26あたりが見えるのはAOS直後、早朝です。がんばって早起きして、右の時間に挑戦してみました。

結果は右の表の通りで、弱いものの何とか受信できました。他にも受信レポートが JAMSAT-bb / AMSAT-bb にあり、北半球ではさほど強くなかったようです。コンバータが無事に動作していることが確認できてホッとしました。また、コンバータ(a)(b)で受信感度の違いも比較してみようとしましたが、もともとの信号が弱いせいか、殆ど違いを感じられませんでした。

しかし、 AMSAT-bb では VK の局がS7で強力に入ったとレポートしています。設備に多少の差はあるにしても、ずいぶん違う結果に驚きました。

Sバンドビーコンの受信時刻

11/30 6:19〜6:35 S1-GB (2400.200) キャリアのみ
12/01 5:43〜6:15 S1-EB (2400.600) 成功
12/02 5:22〜5:49 S1-EB 成功
12/03 5:02〜5:30 S2-MB (2401.350) 成功
12/04 4:41〜5:09 S2-MB 寝坊してしまった(^^;)
12/05 4:19〜4:47 S2-MB? 受信できず

〜12/08までウィンドゥがあったが、以後なし

そこで、VK で強く JA で弱い理由を考えるために、このような図を書いてみました(誤植はご容赦を)。

現在、衛星は軌道変更に備え、姿勢を ALON/ALAT 270/0 に向かって変更中で、受信を行なった時は 260/-9 でした。つまり、軌道面から南に -9 度の俯角がある状態です。MA=20 あたりで衛星のビームアンテナは地球方向を向きますが、その際の高度と衛星のビームアンテナのビーム幅を考慮すると、上図のように、衛星のビームアンテナ群は南半球の南緯20〜30度付近を向いていることになります。なるほど、これなら VK で強いはずです。で、北半球では衛星のビーム軸から離れ過ぎているため、信号が弱くなる、と言うことなんでしょうね。

実際に衛星が最終目標の長楕円軌道に投入され、実運用が始まるときには、衛星の姿勢は3軸制御され、ビームアンテナは常に地球を向くようになりますし、遠地点付近からなら、地球は衛星のアンテナのビームにすっぽり収まりますので、今回みたいな心配をする必要はないでしょうね。ただし、実運用が始まった後も、近地点近くでは衛星のビームアンテナは地球を向いていないため、このような現象が発生するかも知れません。もっとも、近地点ではSバンドの運用は無いと思いますので、やはり気にする必要はないでしょうけど。

2001/10/24

JARL技研で特性を測定してもらいました

2001年ハムフェア会場の、JARL技研出張測定サービスで、リターンロスを測定してもらい
ました。思ったより良かったのにビックリです。ラジエタをほんのちょっと削り込めば、
2401MHz にピッタリ合わせることができそうです。


2.軸モードヘリカルアンテナの試作 (Last Update:2000/12/16)

とりあえず 10ele 八木を作って受信できるようにはしましたが、それはそれとして、JH1CMP 井関OMの紹介された軸モードヘリカルアンテナには興味があります。無論、測定機器もありませんし、全くのコピーを繕うにも入手困難な材料もあります。そんな訳で、10ele 八木での実験と並行して、ホームセンター等を中心にパーツを探してみました。

ヘリカル構造のエレメントを支える一番簡単な方法は、ヘリカルの内径に合う大きな絶縁物の円筒にエレメントを巻いていく方法です。しかし、2400MHz のヘリカルは小さいとは言え、内径 41mm はあります。一番手軽な素材は 40mm の塩ビ管ですが…重いし不恰好だし、受風面積も大きくなってしまいます。複数本の棒を並行に並べてエレメントを通していく方法もありますが、工作が大変です。
そこで、井関OMの試作4号機で採用されている構造(中心に支持ブームを置き、スペーサを適宜な間隔に配置して支える)を、基本的に使用することとしました。
使えそうな材料として、次のようなものを用意しました。
  1. 反射板…100円ショップで入手できる、アルミ皿、鉄網などを考えたのですが、井関OMの4号機と同様、直径 18cm のステンレス製落し蓋が入手できたので、それを使用することにしました。
  2. 支持マストと反射板固定具…4号機で使われているイレクターパイプ用取りつけ具、矢崎科工 J-103 ソケットが入手できました。軽量化が目的ではないので、マストにはこれに接続する 30cm のイレクターパイプ(鉄製、表面樹脂加工)を利用します。
  3. ヘリカル支持ブーム…4号機では強度を保ったまま軽量化するためにガラスエポキシパイプが使われていますが、入手困難なため、地方でも入手可能な 1m 長 13mm 径のスチロールパイプを用意しました。これをマストに挿しこんで固定する際、4号機では発泡スチロール棒のスペーサが使われていますが、1mm 厚のコルク板を短冊状に切ってブームに巻きつけ、マストのイレクターパイプの内径との間に隙間を無くす方法で対応します。
  4. ヘリカル支持スペーサ…ブームとヘリカル・エレメントとの間隔を維持し、位置を固定するためのスペーサ、4号機ではテフロン棒が使われていましたが、10mm 径の発泡スチロール棒を使うことにします。
  5. 高周波コネクタ…4号機ではN−Rを反射板に付けていますが、作成費用を節約するために、コネクタはコンバータユニットと接続するためのN−Pのみとし、反射板とエレメントには同軸を直付けすることにしました。
  6. ヘリカルエレメント…4号機と同じで、100円ショップで入手した、2.5mmφ 3m 長のアルミ線を使います。ただし、アルミのハンダ付けをしないで済むよう、給電点には適当な圧着端子をかませて、同軸とはハンダ付けにします。
  7. 同軸とマッチング機構…4号機ではテーパーマッチングにより 50ohm→150ohm を整合させていますが、仮にこの構造を採用したとしても、うちには測定機がないので検証できません。N−Rを節約して同軸を直結することもあるので、1/4 波長の奇数倍の 75ohm 同軸を使ったQマッチで 50→100ohm 変換だけさせることにしました。コンバータに接続するN−Pに 75ohm のマスプロ 3C-FV を使い、以前に測定した短縮率 0.779 を考慮して 5/4 波長=12.2cm とします。同軸外皮と反射板との接続は、反射板がステンレスで普通のハンダ付けが効かないので、卵ラグを介してネジ止めします。
  8. 各部の固定方法エポキシ系接着剤で固める方法を基本にします。

材料にかかった費用は概算で \1,800 というところでしょうか。

←組みあがったアンテナです。

ヘリカルエレメントは外径 44mm の塩ビパイプに巻きつけて曲げたため多少大きく、取りつけながら直径を縮めました。最終的なターン数は20になり、ブーム先端が余っています(後日切り落とす予定です)。

給電部分です。→

75オーム同軸3C-FVRを使ったQマッチセクションでZを100オームあたりにして、エレメントに圧着端子をつけた上でハンダで直接固定しました。同軸はステンレス板の穴を通し、外皮はステンレス板に卵ラグ経由で固定してあります。

配線終了後、エポキシ接着剤で全体を固めてしまいました。


▲給電部分
←エレメントを支持するスペーサの様子です。

現物合わせでスチロール棒を切り出し、3.2mmの穴をあけてエレメントを通し、4ターン毎3方向に配置して、ブームが中央に固定されるようにしました。固定はエポキシ接着剤です。反射板側から1組ずつ、寸法調整→接着→次の寸法調整→接着、と繰り返しました。

反射板の後部には、イレクターパイプを使った短ブームがあり、コンバータを直接取りつけます。また、ブーム支持には4号機と同様、イレクターパイプ用の支持具を利用して横木を出しました。テストではこれを三脚ベースのクロスマウントに装着して、方位を調整できるようにしてあります。

写真では、コンバータのテスト用電源(単3電池×8個)の電池ソケットも抱かせてありますので、ちょっと不恰好ですね。横木を支持しているイレクターパイプ用のソケットの固定はルーズですが、コンバータの重みで特定の方向置に固定されますので問題ありません。

追記 : 2001/10/24

実際に AO-40 からの運用が開始されて以降、この20ターンヘリカル&標準改造 2880 の組み合わせでは、ロクにビーコンの受信もできなかったことから、殆ど使わないままだったのですが、プリアンプの入手と、80cm Dish による安定的な受信環境が整ったことから、20ターンヘリカルの性能評価を実施してみることにしました。


追加図 1. 受信能力の比較

80cm Dish とプリアンプによるものを基準とすると、20 ターンヘリカル& JI5MFZ 式高性能 2880 の組み合わせで -10dB、NF 0.7dB のプリアンプをつけた場合に -7dB と言う結果でした。まあ、想定通りの結果と言えなくも無いですね。


追加図 2. 同一アップリンクの比較

ビーコンではなく、同一のアップリンクを受信した場合の比較も行いました。結果は -10dB、やはり、こんなものですか…。

結論として、20 ターンヘリカルのシングルでは、S2 帯のダウンリンクを聞くのは何とかギリギリ、CW では使えなくはないが、SSb ではちょっと無理ではないかな、ってところですね。S1 帯が生きていれば、また違ったと思うのですが…。


Posted and Edited by 今石良寛 Yoshihiro Imaishi.
mailto:jf6bcc@jarl.com

アマチュア無線メニューへ戻る


★警告と周知:(1)このホームページに掲載されている記事を、ホームページ作者及び記事作成者の許可なく、転載・引用することを禁じます。(2)このホームページへリンクを貼る場合、事前の連絡と承諾は不必要ですが、リンクを張った際にはご一報下さい。ホームページ作者は、当ホームページへのリンクを拒否する権利を保留します。

★免責事項:(1)このホームページで使用されているGIF画像は、ホームページスペースの運営会社が自動的に付加するものを除き、米ユニシス社のライセンスを受けた Microsift Paint によって作成されたものです。ホームページスペースの運営会社が自動的に付加する画像データについては、このホームページ作者の責任範囲外であり、これに伴う全ての権利的諸問題について一切の責任を負わないことを周知します。(2)掲載されている内容は全て、その記事が作成された時点の記事作成者の機器・ソフト環境等に依存したものです。記事内容に街頭しない機種・ソフト環境での動作保証するものではありません。(3)本ホームページに掲載された記事を利用することによる故障・トラブルその他について、ホームページ作者と記事の作成者は一切の責任を負いません

★その他:(1)MS, Microsoft, ActiveSync,Outlook, Pocket Outlook, Windows,WindowsCEは、米Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標または商標です。その他、記載されている会社名・製品名は、各社の商標および登録商標です。