Updated at 24th. Oct. 2001


AO-40 用 2400MHz 帯受信コンバータについて

アマチュア無線メニューへ戻る

1.ドレーク 2880 改造ダウンコンバータ

Phase-3D 衛星からのダウンリンクは、144/430/2400/10G/24G とあります。144/430 は既存の機器で何とかなりますが、2.4GHz に対応した機器を既にお持ちの方はそういらっしゃらないでしょう。2.4GHz で SSB/CW を聞ける市販のリグもありませんから、2.4GHz で衛星からの信号を聞くには、何がしかの受信コンバータが必要です。

2001年10月25日現在、国内で市販されている 2.4GHz → V/U コンバータ

しかし、市販の完成品を買うほど裕福な人はそう居ないでしょう。アンテナにもお金がかかりますしね。そこで、ジャンクのコンバータユニットを改造して、安くあげることにしました。

Phase-3D 衛星の打ち上げもいよいよ迫りました。衛星打ち上げ後にまず発信される、ジェネラル・ビーコン(GB)の受信に挑戦です。とは言え、435MHz については既にある FM レピータ衛星用のアンテナと FT-817 で良いとして、2400MHz を聞く装置がありません。

そこで、新品ジャンク品として格安で放出されているドレークの 2.5〜2.7GHz → 220〜400MHz のダウンコンバーターユニットを、JN1GKZ 新井 OM の改造記事を参考にして改造することにしました。コンバーターユニットは (2000/11月現在)、(有)ミリコム他で通販されています。アマチュア用に改造済みの完成品もあるようです。周波数変更改造に必要な HC-18/U の 8.8125MHz の水晶振動子は、秋葉原のニッシン電子 (03-5294-0215) に在庫があったので、通販で取り寄せました。

詳細な改造方法は上記 Web ページを参照して下さい。私は電源改造は行わず、IF段の共振回路2個の除去と水晶交換だけ行いました。電源は外部から、右の回路を介して +12V を供給しています。

さて、調整するには2.4GHzの信号源が必要ですが、私は他に基準となるような 2.4GHz の設備を持っていません。北九州市近郊には基準となるビーコン局などもありませんし、第一、アンテナもまだありません。そこで、ダイオードを使用した逓倍器を使って高調波を得て、SGの代わりにすることにしました。

前述の JN1GKZ 新井さんの Web ページでは、逓倍用ダイオード 1SS85 を使用した回路が紹介されていますが、北九州市のパーツ屋では在庫がありませんでした。そこでちょっと古いのですが、Ham Journal No.98 の JA1DWO 鈴木 OM の 2.4GHz 受信コンバータ作製記事中にあった、スイッチングダイオード 1S1588 を使用する回路を元に、手持ちの材料で組み立ててみました。出力側は 2.4GHz のダイポールにしてあります。

これで RCA ジャックから 50.01MHz を入力して高調波を得ます。受信拡張改造をした C-501 で確認したところ、150.03、450.09、900.18MHz で信号が取得できていました。多分 2400.48MHz でも得られていることでしょう。

調整は右のような機器構成で行いました。コンバーターの入力端子(Nコネ)には適当な長さのリード線を挿し込みアンテナ代わりとしました。簡易SGとコンバーターのリード線は 5cm 程度しか離していません。

まずは電源投入後、コンバータのLO部が発振しているかどうかを RF プローブで確認、そして FT-817 で 8.8125MHz で水晶発振の周波数を確認しました。次に FT-817 で 50.01MHz で送信、C-501 を 144.48MHz にして信号が受信できるよう、コンバータ内のトリマを調整しました。

調整の結果、C-501 のSメーターが8割程度まで振れるほどの強さで、144.480MHz で受信できるようになりました。調整後、コンバータのケースのフタを閉じましたが、周波数のズレは殆ど確認できませんでした。12V電源を off にすると、それまで受信できていた信号が消えます。成功です。

感度については、実際にアンテナを接続した上で、どこかのビーコン信号を受信するしか無いのですが、北九州市内には適当な信号源がありません。2400MHz のビーコンがあった衛星も今は機能停止しています。福岡市に 2400MHz のレピータ JR6WA があるようですので、とりあえずはそれを目当てにしようと思います。が、まあ、2000/11/12現在、肝心のアンテナがありませんので…。ぶっつけ本番で Phase-3D のビーコンを受信することになるかも知れませんね。

(Last Update:2000/11/15)追記:どうも、調整時点で間違った信号を受信していたようです。アンテナを作ってから試して見たところ、2400.48MHz が 144.345MHz に変換されていました。ニッシン電子で購入した 8.8125MHz の水晶振動子と、コンバータLO部の回路との相性の問題かと思います。


2. その後の実験報告

2.1 静電気による初段FETの破壊

Drake2880 の回路は公表されていないのですが、その初段RFアンプに使われている回路には、静電気に対する防御措置が取られていません。そのため、ダイポールやヘリカルなど、直流非接地タイプのアンテナを接続した状態で、エレメントで服やカーテンを触るなどで、静電気をかけてしまうと、すぐに FET が飛んでしまいます。私もこのおかげで、貴重な、苦労して入手した 2880 2台を壊してしまいました (- -;)。

で、まあ誰にでも考え付くのが、飛ばしてしまった FET を交換すれば直るのではないか、と言うことですね。2880 で使用されている FET が何であるのかわからないので、単に交換しただけでは、特性が違ってまともに動作しないかも知れませんが、あ、ものは試し、サトー電気の通販で安価で手に入った FHX-14LP に交換して、試してみることにしました。


Fig.2-1. FET の飛んでしまった 2880 を FHX14LP に交換

…結果、ダメですね。標準的に改造されたものに対して 10〜20dB 以上は、感度が足りません。同様に安価で手に入る FHX-35LG にも交換して試してみたのですが、やはりダメでした。

2.2 MGA-86576 への交換に挑戦

ダメになってしまった 2880 をそのままにしておく訳にはいきません。英国のマイクロウェーブ愛好ハム G3PHO のサイトで公開されていた、初段アンプを低 NF の MGA-86576 に交換する改造を、私もやってみることにしました。ついでに BPF も東光の 2.4GHz LAN 用に交換して、高い総合利得と良好な NF を目指します。

…が、どうも聞いてみると、この MGA-86576 ってのは非常に不安定な石らしく、改造はお勧めできないとか…。


Fig.2-2 MGA86576 を使って改造に挑戦 …が発振が止まらず失敗

やってみました。やはりと言うか何と言うか、発振が止まらなくてまったく使い物にならないシロモノになってしまいました。素人が手を出すべきではなかったようです。とほほ。

2.3 Minicircuit 社製 ERA-3 での修理

この修理の話を JAMSAT-BB でしたところ、愛媛の JI5MFZ 吉田OMから、「高性能にはならないが、もとの改造ユニット程度の能力を回復させるなら、ミニサーキット社の ERA-3 を使って修理すればいい」とのアドバイスをいただきました。

ミニサーキット社の ERA-3 のデータは、JAMSAT の Web サイトのここにあります。DC〜3GHz で使える、入出力が50オームに整合されたアンプ IC で、2GHz での利得が約 17dBNF が 3.8dB というものです。高性能とは言えませんが、入出力が50オームに整合していることから、複雑な入出力のマッチング回路を考えなくて済み、私のような素人向けです (^ ^;)。そひで、実際にやってみることにしました。


Fig. 2-3 ERA-3 で再修理

その結果、無事に「それなりの」性能を回復しました (^ ^;)。これで一安心です。

なお、今後また静電気で飛んでしまってはコトなので、入力回路に静電気対策として、長さ 30mm のシャントワイヤーを入れることにしました。入力のNコネクタのセンタピンと、基板のアースとの間に、細いエナメル線を空中配線したものです。これは 2.4GHz の 1/4 波長ショートスタブとして働き、2.4GHz の信号に対してはハイインピーダンスとなって影響しないが、直流電圧についてはワイヤを経由でショートされます。基板に密着させると、誘電率が変わって必要な長さが短くなってしまいますので、空中配線させることが大事です (^ ^;)。

2.4 背の高い交換用水晶の後始末

静電気破壊で壊してしまった2個の修理で、動作確認をするためにも、基準となるユニットが1つ必要になるので、別途、標準的な改造をするための 2880 を1つ調達し、一番基本的な改造を実施しました。が、ここで問題が発生。注文した水晶の背が高すぎて、そのまま交換すると、フタが閉まらなくなるのです。

そこで、やむなくこんな方法を取りました。


Fig. 2-4 標準改造の 2880 と、背の高い水晶の装着方法

見ての通りです。単に長くして寝かせるだけでは、トリマに干渉して調整ができなくなります。調整してから寝かせるのは、周波数調整が狂ってしまいますから、やりたくありません。で、水晶の足を目一杯長く取って、トリマをまたいでから寝かせるようにした訳です。

周波数の安定度に不安があったのですが、実際に使ってみた限りでは、周波数のフラつきは殆ど感じませんでした。

2.5 JI5MFZ 式の高性能改造に挑戦

JAMSAT のニュースレター #xxx (2001年2月xx日発行) に、JI5MFZ 吉田OMによる、ドレーク 2880 の研究結果と、高性能改造の推奨方式が発表されました。(海外発表用の英文記事はこちら)

どういうものか要約すると、2880 の初段 FET アンプは十分に高性能なのだが、IF 段以降の利得が足りない(損失が多い)ため、総合 NF が 5〜6dB 程度しか得られない、そこで、2段目の RF アンプを追加して利得を高め、以後の損失による NF の悪化を食い止め、結果として高性能なコンバータを実現しよう、と言うものです。同時に、RF アンプを追加したことで利得過多気味になるので、IF の利得を低減してバランスを取るとともに、IF 回路のリターンロスを改善することも狙っているようです。

記事では、追加する RF アンプに ERA-3 を使うとなっていましたが、手持ちの関係で私は ERA-5 を使ってみました。利得や NF は似たようなものですが、ERA-5 は ERA-3 より高出力型で、動作には +5V 電源が必要(ERA-3 は +3V)と言う点が違います。そこで、電源を +10V の地点から取るため、オリジナルと少々異なる改造をしました。


Fig. 2-5 ERA-5 を使って JI5MFZ 式高性能化改造を施した 2880

追加 MMIC への電源供給は、記事ではワイヤーによる RFC が推奨されていましたが、同じ方法でゃってみたところ発振を起こし、ERA-5 を飛ばしてしまいました。そこで、この部分は普通の RFC に交換してみましたところ、うまく動作するようになりました。

気になる性能なんですが、


Fig. 2-6 ERA-5 改造ユニットの改造結果

…いやぁ〜、何と言うか、すごいの一言です。NF 0.7dB のプリアンプを装着した場合に比べても、ほんのわずかの見劣りしかありません。SSB の更新もしっかり聞こえるようになりました。ERA-3 やその他、改造に必要な部品はわずか数百円程度で手に入ります。おそらく、これがもっとも安上がりで、かつコスト・パフォーマンスの良い 2880 の改造方法だと思います。

この ERA-5 改造ユニットは、その後、ルパールの某局宅へ寄付されました。私の手元には ERA-3 で改造し直した1台があり、移動運用や評価試験の時に活用しています。


by Yoshihiro Imaishi JF6BCC/KH2GR
mailto:jf6bcc@jarl.com

アマチュア無線メニューへ戻る


★警告と周知:(1)このホームページに掲載されている記事を、ホームページ作者及び記事作成者の許可なく、転載・引用することを禁じます。(2)このホームページへリンクを貼る場合、事前の連絡と承諾は不必要ですが、リンクを張った際にはご一報下さい。ホームページ作者は、当ホームページへのリンクを拒否する権利を保留します。

★免責事項:(1)このホームページで使用されているGIF画像は、ホームページスペースの運営会社が自動的に付加するものを除き、米ユニシス社のライセンスを受けた Microsift Paint によって作成されたものです。ホームページスペースの運営会社が自動的に付加する画像データについては、このホームページ作者の責任範囲外であり、これに伴う全ての権利的諸問題について一切の責任を負わないことを周知します。(2)掲載されている内容は全て、その記事が作成された時点の記事作成者の機器・ソフト環境等に依存したものです。記事内容に街頭しない機種・ソフト環境での動作保証するものではありません。(3)本ホームページに掲載された記事を利用することによる故障・トラブルその他について、ホームページ作者と記事の作成者は一切の責任を負いません

★その他:(1)MS, Microsoft, ActiveSync,Outlook, Pocket Outlook, Windows,WindowsCEは、米Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標または商標です。その他、記載されている会社名・製品名は、各社の商標および登録商標です。