Last Updated : 2004/2/8


AO-40 用 S帯→2m コンバータ
K5GNA AIDC-3731/AIDC-3731AA の紹介

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1.K5GNA 改造 AIDC-3731 コンバータの紹介

AO-40 衛星はダウンリンクにS帯 (2,401MHz) を使うことから、AO-40 衛星を使用して交信をするには 2.4GHz の受信設備が必要です。通常、2.4GHz 帯をそのまま受信できる設備を持っている人は少ないですし、仮にあったとしても受信性能を確保するためには 2.4GHz の信号を長々と引き回すのは得策ではありませんので、殆どの場合、2.4GHz の受信アンテナのすぐ近くに、V/UHF 帯への受信コンバータを設置し、V/UHF 帯を親受信機で受信する形になります。

この 2.4GHz → V/UHF 帯の受信コンバータですが、市販品ではマキ電機製アイコム製KEN無線製などの製品があります。また、海外ではKuhne electrnic (DB6NT)SSB Electronicその他色々あります。…が、市販品ってのは結構高いんですよね。で、ちょっと昔までは、ジャンク屋に多数出回っていた、2.5GHz →300MHz のドレーク2880コンバータを改造することで、格安でコンバータを調達できたのですが、残念ながらこれは現在市場に出回っていません。たま〜にヤフオクなんかに出ることはあるんですが、品薄なせいもあってか、結構な価格まで上がってしまいます。

ところで、ドレーク 2880 ってのは "MMDS" と言う用途の製品がジャンクになったものです。MMDS ってのは端的に言えば、ケーブルTVの配信の一部に無線を使ってる奴で、日本では全くなじみの無いものなんですが、欧米や豪州などで広く使われてきたこの MMDS サービス、最近は廃れてきているようで、あちこちでどんどん廃止になっていて、それ用の製品がジャンクで多数出てきているようなんです。で、末端の家庭などで受信する際には、配信に使われる 2.5GHz 帯を 300MHz あたりに落としてTVに接続するコンバータが使われてまして、これ、大概の場合、ちょっと改造してやることで、アマチュア用の 2.4GHz 帯を 2m とか 430MHz とかに落とすコンバータにできるんですね。

北米ではこの MMDS コンバータのジャンクは色んなメーカの色んな製品が出回っているようなんですが、その中で、対本の TSI 社の製品 AIDC シリーズのコンバータを、K5GNA Bob がアマチュア用の改造した高性能コンバータが、一般のアマチュア向けに販売されていることを知りまして、今回、7L1FPU 中田さんの共同購入で入手しました。ここに簡単にレポートをしたいと思います。

2.しっぽなし/Nコネ版 AIDC-3731AA

到着した K5GNA AIDC-3731AA コンバータは、30mm角の棒状で長さ 175mm と、ずいぶんと小柄なものでした。外観については K5GNA のサイトで見ていただくとして、早速フタを開けて中身を見てみました。

左の写真は電源&RF回路側のフタを外してみたところです。左から、2.4GHz 入力のNコネ、2.4GHz に調整された BPF、FET & トランジスタの2段 RF アンプ、再び BPF、電源回路と続いて、右端に IF アンプ回路があります。右下の黒い突起は、IF 出力のFコネクタです。

2つの BPF はそもそも MMDS 用に 2.5GHz 帯に調整されているものなのですが、K5GNA がこの部分を 2.4GHz 用に再調整してくれています。RF の初段に使われている石の詳細はわかりませんが、総合 NF が 1dB とかなり良好なコンバータユニットですから、0.4〜0.6dB 程度の NF が叩きだせる高性能素子だろうと思います。

電源回路は、IF 回路に重畳給電されてくる 15V 以上の DC 電圧を、3端子レギュレータ 7812 で 12V に安定化して、コンバータの各回路に供給しています。電源重畳給電をしたくない場合は、この部分を改造して、IF 線と DC 線を分離する必要があります。

右の写真は、PLLとミキサ回路側のフタを外してみたところです。左側が ミキサ回路で RF の 2.4GHz に PLL 回路からのローカル信号 2.26GHz を混合して、145MHz の IF 出力を得ます。真ん中は PLL 回路から LO 信号を取り出すフィルタ回路で、右が PLL 回路です。

PLL 回路の基準発振周波数用の水晶には 8.8125MHz が使われ、256 倍の 2,256MHz が PLL 回路の出力として現れます。これにより、2,401MHz が 145MHz に変換されるため、AO-40 のダウンリンク 2401MHz 帯を、アマチュア無線用の 145MHz 帯の無線機で受信することが可能になります。

さて、コンバータの電源回路に使われている3端子レギュレータ 7812 は通常、出力電圧より 2V 高い入力電圧を必要とします。12V 出力の場合は 14V が必要になると言うことです。実際には素子の個体差やマージンがありますから、13.8V で駆動した場合、ちゃんと動くかも知れませんが、動かないかも知れません。また、移動運用先でバッテリーなどを電源に使う場合、このままでは動作しないことになりますよね。

私は移動運用では 12V のシールバッテリを電源に使い、IC-821 のアンテナ端子へのプリアンプ駆動用電圧出力を利用してコンバータを駆動するつもりです。実際、このような状況で IC-821 のアンテナ端子に現れる電圧は、シールバッテリの端子電圧が 12.41V の時に、200mA 程度の負荷をかけて 11.83V でした。となると、7812 は全くの邪魔者です。

そこで、7812 の入力端子から電源を外し、そこを直接 7812 の出力端子にジャンパしてしまうことにしました。改造は単純で、

(1) 7812 の入力端子 (パッケージの型番表示を正面に見て左側の足) をニッパで切断する。

(2) 切断された足側と、7812 の出力端子(同右側の足)とを、ジャンク箱に転がっていた抵抗リード線の切れ端をハンダづけしてジャンパする。

駆動電圧が 12.5V 程度なら、この方法でOK、それ以上になる場合は、リード線の切れ端などによるジャンパの代わりに、0.5A〜1A 程度の容量の整流用シリコンダイオードを使い、順方向電圧による電圧降下 (0.6V程度) を利用して電圧を下げるのが適切でしょう。

改造後のコンバータに通電してチェック、動作正常。移動運用セットを持ち出してベランダで AO-40 からの信号受信に挑戦、問題なく動作していました。

3.しっぽつき/ダイポールつき AIDC-3731

K5GNA のサイトをよく見ていて、BBQ Dish に直接装着するための「しっぽ」と「ダイポール」がついたバージョンがあることに気づきました。いや、そもそもこちらが本来の姿で、しっぽを切り落としてダイポールを除去しNコネを装着したものは、アマチュア用途に便利なように改造した姿なんですよね。

で、この本来の「しっぱつき」版、よく見てみるとそのしっぽが、先に輸入した 2.4GHz 24dBi BBQ Dish の WIDC-24 のフィード支持パイプに、カポっとはまりそうな形をしています。ひょっとしたら、このしっぽ&ダイポールつき版、ちょっとした加工で WIDC-24 に装着できるかも知れません。丁度、中田さんが2回目の共同購入を募集していましたので、さっそく頼んでみることにしました。

到着した「しっぽ」つき/ダイポールつき版の AIDC-3731 は、こんな感じでした。全長 29cm、左側の「しっぽ」と右側のダイポールユニットがついている以外、3731AA と何も変わりません。いや、こいつからしっぽ切り落として、ダイポールユニットをNコネに交換したものが 3731AA なんですよね。右端には別に金属板がネジ止めされて、ダイポールの反射板を形成します。

さて、こいつを、BBQ Dish の WIDC-24 にどうやって装着してみようかな…。


▲これが WIDC-24 のフイードユニット。四角の
支持パイプにダイポールユニットが差し込
まれる構造になっている。


▲差し込まれる部分 6cm ほどは、少し
ふくらんでいる。ここに「しっぽ」
が入るのでは?

▲突き合わせて見た。…残念ながらしっぽの
サイズがやや大きく、そのままでは
ハマらない。しかし、0.5〜1mm ほど
削れば…。

▲最初は平ヤスリでシコシコやってみたが、
あまりに大変なので、奮発して
家庭用グラインダーを購入!。6千円。

▲がんばって削りました。各面約 1mm 程度。

▲やりました。ばっちりフィットしました!


▲フィード支持ポールの取り付け位置を、焦点位置の変化に合わせて開け直した。

うん、うまく改造できました。

さっそく動作確認です。ベランダに設置してある 120cm Dish を撤去し、BBQ Dish WIDC-24 を装着、そこに、今回改造したコンバータつきポールを差し込み、固定しました。

…いいですねぇ。格好、いいじゃないですか。スマートですよ。

とりあえず 7812 改造をしないまま装着したので、これでちゃんと動くかなあ、と思いつつ、シャックに戻って 13.8V を供給してみました。ちゃんとノイズレベルが上がりました。5C-FV 22m の電圧降下分があるはずですが、ちゃんと動いているようで一安心です。

早速、アンテナを AO-40 に向けてみましたところ、しっかりと聞こえて来ました。良好です。

2003/12/28 の 22:30 JST、AO-40 の姿勢は冬眠のドリフト中で 315/24、SQA は約 28 と良好とは言えませんが、相対距離 38,000km の彼方からの信号は…何と IC-821 のSメータをピークでS9振らせています(ノイズはS5)。10dB ATT を入れると、 ピーク S7 でノイズ時ゼロ、ううむ、これは使いやすそうですよ。

上は、AO40RCV で受信した S2-MB の画像キャプチャです。S/N は 25dB 程度取れています。SQA=28 でこの程度であれば、姿勢が 0/0 に戻れば、かなり良くなるのでは…と期待しています。

昼間に写真を撮影してみました。

 

 

BBQ Dish & K5GNA コンバータの販売について

2004年2月8日に佐賀県鳥栖市で開催された西日本ハムフェアにて、BBQ Dish と K5GNA コンバータの販売を行いましたが、AO-40 の電源トラブルにより沈黙と言う事情から、会場で全部を販売することはできませんでした。以下の個数が残りましたので、遠方の方向けの通販を承ります

・WIDC-24 BBQ Dish & K5GNA コンバータ直結セット(\30,000) 1個
・WIDC-24 BBQ Dish (\15,000) 2個
・K5GNA 2.4GHz→2m コンバータ(しっぽつきNコネタイプ) (\16,000) 4個
・K5GNA 2.4GHz→2m コンバータ (IF 142.1MHz版・しっぽつきNコネタイプ) (\16,000) 1個

まずは、問い合わせをメールでお願いいたします。 


by Yoshihiro Imaishi JF6BCC/KH2GR
jf6bcc@nospam.jarl.com <- nospam. は外してください

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