Updated at 4th. Oct. 2000


JF6BCC の衛星用アンテナ紹介
手持ち八木−実験版

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1.移動用手持ち八木アンテナ、実験1号…失敗作

移動運用や外出時、あるいは通勤途上でちょっと時間のある時に使える、145/435MHz 両用の手持ちビームアンテナを作ることにしました。とりあえずは Mode-B で必要な 435MHz の受信アンテナから、と思い、JAMSAT の Web ページにあった 6ele 八木を作ることにしました。

材料は手持ちのものを使いました。リフレクタとディレクタのエレメントは 3mm 径のアルミパイプ、ラジエタのエレメントは 2mm 径の真鍮棒です。そして、以前 AO-13 の受信用に試作した 145MHz ワイドスペース8エレ八木でディレクタに使っていた 5mm 径のアルミパイプをブームに使用、とてもスマートで軽量な八木になりました。材料は全てホームセンターで調達可能です。

細いブームと細いエレメントの固定には、100円ショップなどでおなじみの「目玉クリップ」を使いました。取っ手に空いている穴が、3mm 径のエレメントを通すのに丁度良く、パネでクリップが閉じると、適度な強さでエレメントを固定してくれるのです。ただ、エレメントを通したまま 5mm 径のブームをはさむと、少々はさむ力が不足するため、ラジオペンチを使ってクリップを多少曲げて、ブームをしっかり挟めるようにしました。
自分でもなかなかいい出来だと思ったのですが…難点が3つありました。

(1)…クリップで挟んでいるだけなので、振りまわした時に何かにぶつかると、ご覧(写真→)のようにエレメントの平行がズレてしまう。
(2)…145MHz の3エレを同じ構造で作成して、交差配置しようと思ったのですが、実際にやってみると、145MHz のエレメントは重過ぎて、クリップの力ではうまくブームに
固定できず、エレメントの直交が乱れてしまう。
(3)…ブームが
細過ぎて、手で持つのが大変だし、回転させづらいし、Uボルトなどを使って手で持たなくても固定できるようにもできない。

430MHz の移動運用が目的なら、まあこれでもいいのですが、目標は FM レピータ衛星追跡用の手持ち八木ですから、これではちょっと使い物になりません。極細ブームと目玉クリップ固定方式は断念することにしました。

2.移動用手持ち八木アンテナ、実験2号…成功!

実験1号の失敗に懲りて、JAMSAT の Web サイトのアンテナ記事に素直に従い、15mm の 91cm 長ラワン角材をブームに使い、ドリルで空けた穴にエレメントを通して固定する構造に変更しました。

で、できたのがコレ(←)です。435MHz の6エレ145MHz の3エレを、1本の角材に直角に組み付けました。同軸は取りまわしの楽な 1.5D-2V を 1.2m ずつで BNC-P を取りつけてあります。

リフレクタとディレクタには、実験2号で作った、3mm 径のアルミパイプ製のエレメントを使っています。ブームには 3.2mm ドリルで穴をあけています。3.1mm 径ドリルの方が、パイプがきつくはまるので良いとは思うのですが、入手できませんでした。ブームとの固定は、435MHz 側は輪ゴム145MHz 側はタイリボン止めです。

ラジエタは 3mm 径銅パイプを使って作ったものに新調し、先端部分に 2mm 径の真鍮棒を使って周波数の微調整ができるようにしました(調整後にハンダ付け)。いずれの部品もホームセンターで入手可能です。

435MHz の SWR は、バンド全域で十分低く取れましたが、145MHz 側は帯域がちょっと狭くなるようで、145.8MHz を中心に調整しました。

左右の写真は給電点の拡大です。UHF 平行フィーダー用の中継コネクタ(サトーパーツ製 CN-1463)を使って、ラジエタ・エレメントと同軸とを分離できるようにしてあります。ホット側の配線が若干異なるものの、145 も 435 も同じ構造にしています。

折り返しの無い側のエレメントをブームの穴に差し、コネクタとブームを接触させた後で、コネクタに接続した同軸をタイリボンでブームに固定します。これで、ラジエタは必要十分な力でブームに保持されま、振りまわしても大丈夫になります。


上の写真(↑)は、部品を分解したところです。ブームは 91cm(実際には先端部分が余っているのでもっと短くできる)で、最も長い 145MHz のリフレクタ・エレメントが 105cm ほどあります。右の写真(→)は、ブームとエレメントを輪ゴムで束ねてみたところです。なお、ブームの手持ち部分には、後日Uボルトの取りつけ穴をあける予定です。

市販の 110〜130cm の釣竿袋があれば、同軸や輪ゴム・タイリボンなども含めてきれいに収納できそうですが、何しろ細いものばかりなので、袋が少々余ってしまいそうですよね。私の場合、同軸は無線機などと一緒にカバンに入れて携帯するつもりですし、まさか毎日仕事先に釣竿ケースを抱えて出勤する訳にもいきませんので、もっと目立たない袋が欲しいところです。現在、山用品店に依頼して、テントポール収納用の袋で 110cm 長のものを特注で作ってもらっている最中です。特注と言っても釣竿ケースよりは安くつく予定(\1,500?)です。

435MHz 側のパーツ長は 34cm 未満ですから、ブームや 145MHzのエレメントを分割・伸縮式にすることで、もっとコンパクトなものを作れそうですね。

2000/9/23 18:13〜の UO-35 で、実際にこのアンテナを使って QRV してみました。435MHz の受信はハンディ機 (FT-73)、145MHz の送信もハンディ機…といいたいところですが、手持ちがないので 10W のモービル機 IC-229 を使い、自動車から電源を取りました。左手でアンテナを持ちつつログ帳を押さえ、右手でモービル機のハンドマイクとペンを取り替えつつ握りました。FT-73 は胸ポケットに入れ、衛星からのダウンリンクをヘッドホンで聞きました。

結果…6 QSO!。非常に良好です。SO-35 との伝播状況が良かったせいもあるのでしょうが、145MHz 側はたった3エレと 10W であるのに、衛星にはかなり強力に届いているようです。また、手首をひねれば偏波面が自由に変えられるのが手持ち八木の良いところで、衛星からの返り信号が最大になるように、送信しながらくるくる回すことができます。受信もしかりで、偏波固定の自宅の設備に比べて、かなり良好に通信を楽しめます。これは新鮮な感動でした。

今回は 10W 送信を行いましたが、145MHz 側の利得をもう 3dB 上げることができるならば、5W 出力のハンディ機と同等になる計算です。あるいは 5W でも、10W と遜色の無い程度に強い信号が送りこめるかも知れません。ハンディ機だけで FM レピータ衛星を使うのは、違法運用の多いアジア地域では無理がある、と思っていましたが、どうしてどうして、十分できるじゃないですか!

実際に、片手でアンテナを持って衛星を追いかけるスタイルでの運用をやってみて、いくつか問題点・要改善点がわかりました。

(1) ブームの取っ手部分を 15cm しか確保してなかったため、ブームとメモを同時に左手で押さえることになるが、これは疲れる。取っ手部分は 25cm ほど確保して、手で持つ部分のちょっと上に、メモを固定するクリップを装着しておくと良さそうだ。

(2) ブームに方位磁石を貼りつけておくと、自分の方位がわかりやすい。最近は方位磁石が 100 円ショップにあるので助かる。もっとも送信すると乱れるが…。

(3) 右手でハンドマイクを操作しつつ、受信中にペンでログをつけるのは大変だ。VOXとヘッドマイクがあれば確かに便利!。テープレコーダーで送受信の信号を録音する方法も検討すべきか?。

(4) 145MHz の送信が 435MHz にカブるかと思ったが、ハンディ機の AF 段への飛びこみがある(イヤホンから自分の声が小さく聞こえる)ものの、カブりはなく、衛星からの自分の声をしっかり聞くことができた。これは、受信に使うリグによるかも知れないが、旧機種でシールドがしっかりしている FT-73 は、案外衛星向きなのかも知れない(でも最小ステップが 10KHz なのでドプラーシフトに対応するのが大変だが)。

(5) 同時送受信は必須!。偏波面をちょっと変えるだけで、自分の返り信号の明瞭度がずいぶん変わる。出力の弱いハンディ機を使ってアップリンクをするなら、衛星からの自分の声を同時に聞いて偏波面を操作すべき。

(6) 435MHz は6エレで十分!。8エレにグレードアップしようかと考えていたが、その必要はなさそうだ。

2000年の10月頭には、八重洲の新型オールモードポータブル機 FT-817 が納品されるはずです。変更申請を済ませて使えるようになるのは10月中旬過ぎでしょうか?。FT-817 は 5W 機なので、アップリンクをもう少々強くする必要がありそうです。今回の実験2号アンテナの経験を元に、144MHz を4エレにした、実用手持ち八木アンテナの準備をしたいと思います。

9/24、100円ショップで見つけた A6 サイズのクリップボード(メモつき)を使って、手持ち八木のログ支持方式を改善しました。

何をしたかと言うと、クリップボードの4隅に穴をあけて、女性が長い髪を縛る時などに使用するゴムヒモを通して、クリップボードを腕にくくりつけるようにした訳です。左右の写真のように、アンテナを支える左手の時計の手前に、クリップボードを配置しました。しっかり固定するためにゴムひもきつ目にしたので、少々腕が痛いのですが、これでログ取りには不自由しません。A6 サイズでも1回 14 分程度の FM レピータ衛星用には十分です。


Posted and Edited by 今石良寛 Yoshihiro Imaishi.
mailto:imaishi@dream.com

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