Last Updated : 30th.May.2002


小笠原・父島移動運用記
2002/4/29〜5/7 (父島滞在5/1〜5)

前へ | 準備編 | 4/29 | 30 | 5/1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 次へ

アマチュア無線のトップページに戻る


余談〜なんで小笠原まで行って無線するの? (アマチュア無線家でない方へ)

1.小笠原旅行を思い立つ

2002年のゴールデンウィーク(G/W)は、中3日の平日に休みを取れば 4/27〜5/6 の 10 連休になると言う素晴らしいものでした。が、この事実に気づいたのが4月の頭 (^ ^;)。せっかくの連休、ただ家で過ごすなんて勿体無いですよね。

4/27 28 29 30 5/1 2 3 4 5 6 7

しかし、ゴールデンウィークに海外旅行だなんて、金の無駄遣いです。1月にグアムに行ったばかりですから、経済的にも多額の出費はキツいのです。しかも、せっかくの長い休みだから普段行けないところへ、と考えると、費用がさらにかさみますし、既に1ヶ月を切っている状態では航空券やホテルの手配も難しいでしょう。

…ここでハタと気づきました。せっかくの長い休みだから、普段行けないところに行く?。日本には「普段行きたくてもなかなか行けない」所があるんじゃないですか。それは、片道 25 時間の船旅しか手段が無い、小笠原諸島!。さっそく、小笠原までの航路を運行している小笠原海運のホームページに行き、連休中の日程と料金を確認しました。

4/27

4/28

4/29

4/30

5/1

5/2

5/3

5/4

5/5

5/6

東京発

父島着・発

東京着

東京発

父島着・発

東京着

東京発

父島着

父島発

東京着

運賃 : 2等大人片道 \22,570- G/W割増なし

…さすが小笠原海運、普段は小笠原に3日泊まって帰ってくる週イチ程度の運航スケジュールなのですが、稼ぎ時(?)のゴールデンウィークは、日程をフルに使えるスケジュールにしてあります。しかもピストン輸送で期間中に3往復です。しかも、料金も割増なし(夏休みは割増なんですね)。

ここは当然、4/27〜5/6 の最大の日程を取りたいところですか…、東京が 10:00 発ですから、福岡からの朝イチの飛行機では時間的にギリギリで前泊が必要になりますし、今回は無線機材の準備が間に合いそうにありません。なにより、4/28〜29 は ALL JA コンテストですから、衛星でバリバリやるには不向きです。そこで今回は1便遅らせて 4/30 出発便にし、連休の前半2日でアンテナを準備、福岡を 4/29 に発って東京で1泊するのが適当だと考えました。帰りは 5/6 東京着、ただし 18:30 着なので、船が遅れる可能性などを考えると、福岡行きの最終の飛行機でその日のうちに戻るのも危険ですから、やはり1泊して 5/7 の朝イチで帰るべきでしょう。勤務日に遅刻してしまうことになりますが、まあ、そこは何とか (- -;)。と言うことで、4/29福岡発・東京1泊、5/6東京着1泊と言うプランにしました。

4/29

4/30

5/1

5/2

5/3

5/4

5/5

5/6

5/7

福岡→東京

東京

父島

父島

父島

父島

父島

東京

東京→福岡

もう1ヶ月切っているし、今からでは無理なんじゃないかなあ、と思いつつ、ネットで見つけた船旅の専門旅行会社ナショナルランドに、上記日程でのツアーの可否を問い合わせてみたところ…、何と「乗船券は取れます。宿については調整中です」との返事!。結局、旅行パッケージで使うような宿は取れなかったのでが、小笠原村観光協会の Web ページから現地の民宿情報を得て、電話で空き状況を確認し、民宿「パンダナス」の予約を得ることができました。取れてしまった以上、行くしかありません (^ ^;)。福岡〜東京はビジネス客向けの東京往復1泊つきパック \39,000 を申し込み、東京到着日に品川プリンスホテルで1泊します。帰路の1泊もこれに追加手配しようかと思ったのですが、パックの延泊料金がバカ高かったのでやめ、知人の進めで竹芝桟橋のま向かいにある芝弥生会館と言うJR系のホテルをインターネットで予約しました。これで行程全ての手配完了です。

2.小笠原ってどこ?。どうやって行くの?

アマチュア無線を趣味としている人には説明は不要かと思いますが (^ ^;)、日本の南、マリアナ諸島までのちょうど中間、東京から 1,000km の位置にある諸島です。日本と小笠原諸島の位置関係がわかりやすい地図はここにあります (YaHoo! 地図検索)。最近は地形図もオンラインで探せる便利な時代となり、国土地理院の地形図検索サービスには小笠原諸島の地形図もありますので、地方都市在住者でも困りません。

小笠原諸島では現在、有人島は父島母島の2島だけです。他にも家族的名前の島が多数ありますが全て無人島です。「小笠原村」と言う行政区からすると、少し南の硫黄島と東の南鳥島にも住人が居ますが、ここへの渡航は防衛庁/気象庁関係者や墓参団などに限られているため、一般人が旅行で行くことは困難です。そう言えば沖ノ鳥島も一部で有名ですね。あれは島と言っても実質は「岩」ですが…。

現地までの交通手段は、一般人には2つしかありません。そのうち1つは片道2日の貨物船に便乗すると言うものですから、勤め人にはまず無理 (- -;)。と言う訳で、小笠原海運が運行する客船「おがさわら丸」による、東京〜父島の片道 25 時間半の旅が、唯一の手段と言うことになります。1997 年に現在の6千トン級の新造船に変わるまでは、3千トン級の船で片道 28 時間だったそうです。父島には飛行場が無いため航空路はなく、空港建設が自然破壊に直結することもあって、飛行場建設計画は白紙撤回状態なんだそうです。島で急病人が出た場合には、海上自衛隊の救難飛行艇が飛んでくるそうですが…。なお、父島より更に南 50km にある母島へは、父島から「ははじま丸」と言う片道2時間の連絡船があり、おがさわら丸の運航スケジュールに合わせて往復しています。

3.事前準備

今回は単独行ですし、情報によると同時期に HF 主体の移動運用チームが2チームも現地入りしているとの事でしたので、私は衛星通信のみに集中することにしました。無論、新衛星 AO-40 にも QRV するよう計画を立てるべきです。とは言え、2002年1月のグアム移動の際、AO-40 受信用の BBQ Dish とコンバータは現地に置いてきてしまいましたので、新たに準備しなくてはなりません。

今回は、とにかく予約できた宿に泊まる、と言うスタイルのため、宿泊先でアンテナを設置できるとは限りません。また、AO-40 の DX チャンスを考えると、真東あるいは真西の水平線近くが見える場所が必要ですが、父島の地形から、宿泊先の大村ではそれは望めそうにありません。そこで、今回は純粋な「ポータブル運用」スタイルを取ることにしました。つまり、バッテリーを電源に、アンテナと無線機器一式を三脚などで展開し、衛星のパスの時だけ、見晴らしの良い場所に移動する訳です。

そうなると、問題は 2.4GHz の受信アンテナです。高台、それも野外となると、風雨が心配です。まあ、雨についてはどうしようもないのですが、風があったくらいで QRT する訳にはいきません。が、傘パラボラや組み立て式ソリッド Dish では受風面積の問題がありますし、直前まで調整したうえで現地に持ち込むことを考えると、コンパクトに収納できるアンテナが必要です。時間も限られていますしね。そこで、1月のグアム移動運用の際に使用したのと同じ BBQ グリルタイプの Dish HG-2424G を使うことにしました。前回と同様に GMG エンタープライズさんに入手について 4/7 に問い合わせると、ちょうど発注の準備中で G/W までに納品できる、との返事で早速注文。4/22 に無事納品されました。

今回は衛星までの距離があるので、JI5MFZ 吉田OM式改造の高性能 2880 だけでは心細いと考え、マキ電機製の 435MHz トラップ入りのプリアンプと標準改造ドレーク 2880 (特注水晶で IF を 142〜144MHz 化) を使うことにました。

435MHz の AO-40 アップリンク用アンテナは、当初はグアムの時と同様に、LEO 衛星用の8エレ程度のシングル八木で済ませようかと考えたのですが、1月と違って今は衛星の姿勢が良く、相対距離もかなりあります。バッテリー運用による 20W 出力ですからアップリンクのパワー不足が心配です。そこで、少しでもアップリンク能力を高めるため、11 エレのクロス八木を自作しました。自宅で使っているものと全く同じなのですが、ブームには釣竿を使って収納サイズを小さく、また軽量化してあります。

AO-40 のアンテナは、写真のようにビデオカメラ用三脚を使い、Lアングルのブームに固定することにしました。アンテナを支えるLアングルは 60cm のものを2本、ボルト&ナットで束ねたものです。最初はアングル1本でやってみましたが、BBQ Dish や八木が重くてネジレてしまうので2本にしました。三脚のカメラ台には小型の万力2個(赤)で固定します。八木の支持具は LEO 衛星用に単独で使う場合を考え、30cmのLアングル1本とイレクターパイプで作りました。パイプの中に八木の釣竿を差し込んで使います。支持ブームの途中の穴を使ってドレーク 2880 コンバータとプリアンプをぶら下げました。

なお、2880 コンバータとプリアンプの電源は、IC-821 のプリアンプ電源出力を利用しました。容量と電圧が心配でしたが、実際に試してみるとうまく動作してくれました。

釣竿製の八木は、LEO 衛星用に 2m 4エレ & 435MHz 8エレの手持ち八木化ができるように、それ用のエレメントと取り付け穴、ケーブルも用意し、別途 LEO 衛星用のアンテナを準備せずに済むようにしました。LEO 衛星と AO-40 とで、エレメントを組み替えて使います。

RS-13衛星はこの時 Mode-T (21MHz Up & 145MHz Down) で動作していましたので、21MHz のアンテナも必要です。とは言え、私の HF 無線機は FT-817 で、今回は 50W アンプは持参しません。市販の FT-817用ホイップは高価ですし、性能も対して良さそうではありません。そこで、釣竿ブーム八木で余った釣竿(グラスファイバ製)の先端部分約 1.6m を流用して、FT-817 用の 21MHz ホイップを作成しました。4段伸縮の最下部にコイルを巻き、先端部分は釣竿を伸ばした時にビニル線を巻きつける構造です。根元には BNC-P を接着しました。これと 3.5m 長のカウンタポイズで 21MHz に出られるようにしました。

釣竿の流用だけあって超軽量、縮めると 60cm 以内になりキャリーバッグに収納できます。ありあわせの材料で作った割にはなかなかの出来栄えで、気に入りました。

無線機は、SSB/CW 衛星用に IC-821(20W)、FM 衛星用に TM-241S(50W) & C-501、RS-13 アップリンク用に FT-817(5W) を使い、電源は秋葉原の秋月電子で入手した 12V 20Ah の鉛シールバッテリをメインに、手持ちの 7Ah ポータブル電源をサブに用意しました。20Ah バッテリの充電には、市販の自動車・バイク用 3〜24Ah 対応充電器を使いましたが、過熱などすることもなくうまく充電できました。野外での移動運用だけを想定して、AC100V の安定化電源装置は荷物から外しました。この他、ISS 経由のパケット用に TNC-22 と東芝リブレット30を準備し、衛星の位置計算は Palm m100 で行うことにします。

なお、現地でのトラブルを想定し、予備として、改造済みの 2880 コンバータとプリアンプを1セット、八木のエレメント折損時の補修用アルミパイプ数本、m100 が動作しない場合の予備として Visor Edge も荷物に含めました。

※父島/母島のグリッドロケータマップ

父島 母島


前へ | 準備編 | 4/29 | 30 | 5/1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 次へ

アマチュア無線のトップページに戻る